最近のトレンドでメタバースというワードを良く耳にします。
「メタバース」とは、最近ネット上で注目されている仮想空間や仮想世界を提供するサービスの総称です。分かりやすく言えば、映画「サマーウォーズ」や「竜とそばかすの姫」のような世界です。FacebookのサーカーバーグCEOが「メタバース」企業を目指すと宣言した事で、さらに注目を集めています。
20年前にすでにあった「メタバース」
最近のトレンドとはいえ、「メタバース」自体は20年前に存在していました。ご存知の方も多いと思いますが「Second Life」がそうです。実はまだ畝意中というのが驚きでしたが、当時は日産自動車や東芝EMI等有名企業が仮想世界に出店してました。確か自分のアバターが空を浮遊していたのをのを記憶しています。また、「あつまれ動物の森」も「メタバース」です。
当時と違うのは、技術の進化とNFTというブロックチェーン技術によってデジタルアイテムの取引が可能になり、もう一つの現実と言っていい程の世界観にまで成長しているところです。
FacebookのVRオフィスがすごい
Facebookは「メタバース」企業として宣言したわけですが、VRゴーグルを開発するOculusを買収し、着々とVRのレベルアップに投資してきました。すでにVRゴーグルにおいてはトップシェアを誇っているとみられ「Horizon Workrooms」というオンライン会議用サービスを開発しています。
PR動画を観たのですが、現実と仮想が見事にリンクした世界観となっており「こりゃ出社不要だわ。オフィス街が消えんじゃね?」と不安さえ抱いてしまう内容に驚きました。エンタメ要素が無いという指摘もありますが、アップデートを重ねるごとに様々なジャンルへと拡大し新たな現実世界を提供していくでしょう。
エンタメのメタバースを展開した「フォートナイト」
世界中で5億人が登録しているともいわれる「フォートナイト」も広義の意味では「メタバース」です。
基本的にはゲームがベースですし、VRゴーグルも装着しないのでピンときませんが、昨年「米津玄師さん」がオンラインライブを開催して話題になり、ゲーム以外のエンターテインメントも提供しています。2020年に実施されたトラビス・スコット氏のライブでは1230万人が同時に接続したといわれています。東京都民ほとんどが一斉に参加したことになります。
バーチャル×都市
日本でも最近バーチャル秋葉原や渋谷といった都市をVR化したコンテンツも展開しています。
バーチャル秋葉原
東日本旅客鉄道(JR東日本)と、ジェイアール東日本企画、HIKKYが、駅や車両を軸としたXR(空間拡張技術)領域での業務提携契約を締結し世界最大のVRイベント「バーチャルマーケット6」に「バーチャル秋葉原駅」を出展しました。実在する駅のように改札を通過したり、電車に乗ってVR世界を旅行することもできるようになっています。その車窓がエモいと評判です。
バーチャル渋谷
東急、パルコ、ベイクルーズら32社が参画「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」のよる「現実とバーチャルをつなぎあわせ、新たな文化を生みだす」ことをコンセプトにした渋谷VRエンターテインメントコンテンツです。ライブやイベント等様々なエンターテインメントを発信ししています。
バーチャル世界を自動で生成するAI開発
株式会社スペースデータは、衛生データからバーチャル空間に世界を自動生成するAIを開発しました。
これ、すごいんですけど、自動生成された地球の様々な地域の3Dモデルを公開して、誰でも無料でしようできるよう、なんと無償提供する予定だそうです。太っ腹〜。そうなれば、現実の町並みを容易に再現できちゃうので、ますます現実と仮想のボーダーラインがあやふやになりそうですね。
メタバースがもたらす世界
メタバースの普及で生活がどうかわるのでしょうか?
現時点では不透明な部分もありますが、劇的な変化をもたらす可能性を秘めている事は想像できます。ちょっと極端な妄想してみます。
街から人が消える?
まず、いままで以上にオフィス不要ですよね。業種業態によっては出社自体が意味をなさなくなることが予想されます。そうなれば平日の人流は少なくともかなり減るでしょう。コロナ禍において人流削減の徹底なんて耳にタコですけど、もう言う必要が無い?
変わる不動産建設ビジネス
人流が減れば、実店舗に人は来なくなり、オフィスビルもその役割が変わると思います。メタバースで生産効率が上がれば当然維持費削減になります。不動産会社などは、その用途を開発することが生き残りをかけたトレンド事業になるかもしれません。一方メタバース内に出店するお店が増え、出店料が年々高騰するかもしれません。VR空間では面の制限はないので、現実には無いオフィスビルが次々建設されることも。メタバース内において建設会社の役割が大きくかわるかもですね。
旅行はVRキットで楽しむ人続出
旅行においてメタバースの最大の特徴は「好きな時にどこでも行ける」ということです。進化するVR技術によって実際の街並やホテルを再現し、各種宿泊施設は「VRプラン」を積極的に開発。予約をしたユーザーにVRキットを郵送。キットは温泉のもとや冷凍食材、地酒等できる限り現実の世界を体感してもらうための素材を用意。あとはVRゴーグルで、施設内や買物も可能な周辺観光スポット等を楽しんでもらいます。自動車メーカーなどとコラボで普段のれない高級車や高級バイクに乗ってドライブを楽しむプランなどあってもいいでしょう。また、国境も関係ないのでパスポートなしで世界一周旅行も良いかも。旅行代理店や宿泊施設はVR用のコンテンツ開発が盛んになるかもですね。これまでのオンラインツアーとは全く違う体験が可能になります。
エンタメはメタバースが合い言葉?
ライブや映画などはメタバースで展開するでしょうね。メタバース内に様々なアーティストのライブを観ることができる専用プラットフォームができれば、アーティストにとっては案外良い事かもしれません。それまで自分を知らなかった人達にたいして認知してもらうことができファンを拡大できるチャンスでもあるからです。映画にしても同様のことが言えるのでは。これまでも動画配信サービスで同様の効果は有ると思いますが、社会のインフラとしてメタバースが導入されれば、効果はその比はないでしょう。
SEの人材不足により、プログラム教育が過熱
建設業者や宿泊施設など、それほどリテラシーの高くなかった業種において積極的にメタバース開発者であるSEの獲得が必要になるでしょう。それにより只でさえ不足しているSEの人材不足が加速します。国は国家事業として今まで以上にSE育成のためプログラム教育に予算を投じるでしょう。
まとめ
ここまで、メタバースの世界について勝手な妄想をしましたが、個人的にはやっぱり現実世界も楽しみたいですね。どんなに技術が進歩しても肌感覚の体験というのは人と会うことやその場に存在することでしか味わえないと思います。一方10年後にはメタバースの世界が当たり前になるのではとも思います。なぜかというと、今の子供達はすでにメタバースに近い環境が当たり前だからです。フォートナイトにしてもそう。コロナ禍でオンラインコミュニケーションが当たり前になっている環境ですから、メタバースが社会インフラ化しても、ごく自然にシフトできる世代だと思います。
メタバースには大きな可能性もありますが、現実において大きな懸念もあると思います。その懸念を払拭するためのルールもできるとは思いますが、人々がより豊かになるために共存できる未来になればいいなと思います。