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ワクチンパスポートの社会生活導入でおきるニューノーマル2.0

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ワクチンパスポートの社会生活導入でおきるニューノーマル2.0

ワクチンパスポート

オリンピックも終わりましたが、東京などの都市圏を中心に感染拡大がとまりません。
現時点ではありますが、医療崩壊前夜だという医療関係者も少なくなく、状況はかなり深刻化しています。
一方で、感染拡大が止まる要素は乏しく、都道府県をまたいだ往来も多数あり早晩全国へと拡大する様相を呈しています。

何とか収まってほしいところではありますが、国・自治体が感染者という指標をかえない限りは、終わりが見えず経済への影響も甚大です。

やはりゲームチェンジャーはワクチンということになるのでしょうか?

もちろん接種は自由意志であることが大事だと思うので、接種自体を押し付けるものではありません。
が、各国の対応や経済界の声などを考えると、スルーしていい状況ではないかもしれません。

経済界の提言

日本経済団体連合会はワクチンパスポートに対して積極的な活用を求める提言をしています。

ワクチンの接種は、社会経済活動を正常かさせるあめの大きな鍵として、以下のように用途をまとめています。

出入国時の活用

出入国の際にワクチン接種記録を提示することで、検疫手続きの迅速化、隔離の免除、隔離期間が緩和されるなどの活用方法

国内における活用

ワクチン接種記録の提示によって入場時の要件が緩和されたり、さまざまなサービスやキャンペーンが受けられたりするなどの活用方法

取り組むべき課題

(1)社会経済活動の正常化に向けた出口戦略の打ち出し
(2)デジタル化の推進
(3)活用における合理的な配慮の確認とさらなる検討

 

「出入国時の活用」は当然として、重要なのは「国内における活用」です。

活用方法としては

  • 各種割引・特典の付与
  • 国内移動、ツアーでの活用
  • 優先入場
  • 活動制限の緩和

としています。

ここには、飲食代金の割引やキャンペーン参加の権利、旅先での外出・移動範囲の許容、イベントの優先入場などのインセンティブがあります。
また、企業に対してはイベントの開催制限の緩和や出社の緩和も明記しています。

日本経済団体連合会「ワクチン接種記録(ワクチンパスポート)の早期活用を求める」

 

進むワクチンパスポート。各国の対応

アメリカ、フランスではワクチンパスポートの社会活動への導入が始まります。

フランスの対応

フランスでカフェへの入店にいわゆる「ワクチンパスポート」の提示が義務となりました。カフェやレストランへの入店の際にワクチンの接種完了や陰性の証明書の提示が義務になっています。
提示しない客は135ユーロ=およそ1万7000円の罰金が科されるほか、確認を怠った店も業務停止となる可能性があるということです。

記事元

 

アメリカの対応

8月3日、ニューヨーク市は「Key To NYC Pass」と呼ばれる新ルールを発表しました。
これは屋内飲食、屋内スポーツジム、映画や観劇、スポーツ試合などすべての屋内アクティビティでは、従業員と客は少なくとも1回の接種を終えていなければならないというもの。利用のたびにワクチン接種証明書もしくはワクチンパスポートの提示が必要となり、1ヵ月の移行期間を設け、9月13日より本格始動となるそうです。

記事元

また、googleでは出社する社員についてはワクチン接種が義務化されました。また、Facebookでは出社はOKですが、社内マスクの義務化を決めています。
GAFAの一角が実施することにより、世界的な潮流になる可能性もあります。

※8/10時点での情報です。

 

日本での導入はあるか?

現実的には個人の人権を尊重する日本で実施するのはちょっとハードルが高いともいわれてますが、海外渡航に対してはワクチンパスポートを実施しているわけですから、経済正常化のもと導入することも十分に考えられます。

 

導入されるとどうかわる?

まず、密が想定されるサービスは全てワクチンパスポートが優先または、必要となるでしょう。
イベントやコンサート・演劇などのエンタメ業界が挙げられます。
また、旅行業界。ツアーなどの団体旅行は勿論ですが、規模の大きい宿泊施設についても提示が必要になるかもしれません。
遊園地、動物園、テーマパーク等の規模の大きいアクティビティも入場制限がかかるでしょう。

原則規模の大きい企業サービス導入が進めば小規模のサービスにも進むと思います。

 

サービスの差別化は安心・安全

企業の導入がすすむ中で、サービスの差別化のキーとなるのはワクチンパスポート導入による「安心・安全」でしょう。
プレミアムな体験を望むよりは「ここなら安心して利用できる」というインセンティブが優先されると推測します。
多少の不便を感じても、何もしていないサービスよりはストレスが軽減され楽しむことができるというマインドが働くでしょう。

 

導入の課題

デジタル化

まずは、デジタル化でしょうか。ちゃんとデータベース化されてるかに懸念があります。
また、堅牢なセキュリティ環境を構築できるかどうかです。UIも大切です。ネットリテラシーの低いユーザーへの配慮もかかせません。
加えてサービスを提供する企業側との認証システムも重要です。エラーが続出してはユーザーも二の足を踏みます。

未接種者への対応

ここが最も重要で、国も企業も頭を抱えるところではないでしょうか?
原則として「陰性証明書」の提示が考えられます。
利用3日前に陰性と診断され、発行された証明書をワクチンパスポートのかわりとして使用する….
しかし、そのために検査をいつでもどこでもできるようなリソースの確保が必要ですし、いつの陰性証明書ならOKかなどガイドラインが必要です。
現状をみると現実的ではないかもしれませんね…

導入するにしても、接種者との格差を生まない対策が政府には必要です。

 

ニューノーマル2.0

ワクチンパスポートの導入は、社会生活に大きな影響を与えるでしょう。これまで自由に利用できたサービスへの制限がかかるわけですから。
しかし、コロナ禍において、人々は安心・安全をできるだけ担保しながら娯楽を楽しむことを優先するマインドに変化すると思います。
それは、経済と医療を上手くバランスをとりながらじゃなければ全てが破綻する可能性があると知ったからだと思います。
もちろん、コロナ前の生活に戻れるのがベストです。
しかし、そうなるにはまだ時間がかかりそうです….

経済を守りながら、医療も守る。
雇用を守りながら、命も守る。

だからニューノーマル2.0。

コロナ禍であっても、だれもが笑顔でいられる世界にするためには、全ての世代が少しづつ荷物を背負い支え合うことが必要ではないか、と思います。

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